文献詳細
綜説
文献概要
はじめに
生体を構成している組織以外の存在,すなわち非自己(not self)は生体が正常の機能を営む上で不都合な存在である。そのような非自己を見つけ出し排除して生体機能の保全を計るのが免疫系の役割である。
排除すべき非自己と保存すべき自己とを厳密に区別するために,免疫系は免疫学的特異性をもつた反応をする。すなわち,それぞれの対応する相手(抗原)とのみ1対1の対応をして反応する仕組みになつている。このような免疫学的特異性をもつものは抗体とリンパ球である。抗体分子にはFab部という1種類の抗原のみを結合する部位があり,リンパ球にはその表面に同じく1種類の抗原のみを結合するレセプターがあつて,ひとつの抗体ないしリンパ球は1種類の抗原としか反応しないという性質をもつているのである。
生体を構成している組織以外の存在,すなわち非自己(not self)は生体が正常の機能を営む上で不都合な存在である。そのような非自己を見つけ出し排除して生体機能の保全を計るのが免疫系の役割である。
排除すべき非自己と保存すべき自己とを厳密に区別するために,免疫系は免疫学的特異性をもつた反応をする。すなわち,それぞれの対応する相手(抗原)とのみ1対1の対応をして反応する仕組みになつている。このような免疫学的特異性をもつものは抗体とリンパ球である。抗体分子にはFab部という1種類の抗原のみを結合する部位があり,リンパ球にはその表面に同じく1種類の抗原のみを結合するレセプターがあつて,ひとつの抗体ないしリンパ球は1種類の抗原としか反応しないという性質をもつているのである。
掲載誌情報