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原著
尿路悪性腫瘍と尿中ポリアミン(第1報)
著者: 赤阪雄一郎1 町田豊平1 田中彰2
所属機関: 1東京慈恵会医科大学泌尿器科学教室 2国立衛生試験所医化学
ページ範囲:P.251 - P.254
文献購入ページに移動Russelらは1971年癌患者の尿中ポリアミンを測定し,癌患者には尿中ポリアミン値の上昇する例のあることを報告,癌診断に対する尿中ポリアミン測定の有用性を示唆した1)。以来,癌と尿中ポリアミンの関係が次第に注目されて来ているが,もし尿中ポリアミン測定が癌の補助診断として有用であるならば,臨床腫瘍学におけるその意義は大きく,特に尿路に発生する腫瘍を扱う泌尿器科にとつては,尿中ポリアミン測定の価値が高いことが予想される。そこでわれわれは,1978年以来尿中ポリアミンの臨床的測定法の検討と,尿路性器腫瘍患者を対象とした尿中ポリアミン値の臨床的意義を検討して来た。
今回は,臨床的応用のための基礎検討として,酵素法を用いた尿中ポリアミン測定を行なつたので,正常人および癌患者についての成績を報告する。
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