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文献詳細

雑誌文献

臨床泌尿器科34巻4号

1980年04月発行

綜説

腎移植の現状—米国死体腎移植の現況を中心に

著者: 合屋忠信1 児玉好史1 松元輝夫1

所属機関: 1ハネーマン医科大学(フィラデルフィア)外科

ページ範囲:P.307 - P.318

文献概要

Ⅰ.米国腎移植の背景と成績
 1.米国腎移植の背景
 近代腎移植の歴史は,1950年代初頭に死体腎および一卵性双生児間の移植を試みた米国ボストンのPeter Bent Brigham病院に始まる1)。しかし,本格的に同種腎移植が末期腎不全の臨床に応用されるようになるのは,6MP,イムラン(アザシオプリン),ステロイドなどが免疫抑制剤として開発された1960年代初頭以降である。その後も米国の腎移植は,HLA系を組織適合性検査に臨床応用したTerasaki,抗リンパ球血清を初めて臨床に使用したStarzl,腎灌流保存法を開発したBelzerらの努力によつて常に世界をリードして今日に至つている。症例数も1967年には1,800例であつたものが,1972年には2,602例,1977年には4,048例と年々増加の一途をたどり2),1982年には新しく1年間に発生する10,000名の末期腎不全患者に対し,5,000名に腎移植を行なうのが目標となつている。このような腎移植の普及は,患者の要求に応えるだけの治療成績の向上に裏打ちされたものであるが,死体腎の利用や医療費補助に関する国家的支援体制に負うところも大である。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1332

印刷版ISSN:0385-2393

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