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文献詳細

雑誌文献

臨床泌尿器科34巻4号

1980年04月発行

手術手技 外来小手術のコツ

女子尿道憩室切除術

著者: 大原孝1

所属機関: 1関西医科大学泌尿器科学教室(付属香里病院)

ページ範囲:P.327 - P.329

文献概要

はじめに
 女子尿道憩室は従来比較的稀な疾患と考えられていたが,最近では本疾患に対する認識と診断技術の発達から数多くの報告例があり,かなりの治療成果が得られている。本疾患は尿道の一部,特に下壁に発生し尿道と交通する嚢状腔形成を称しており,前部尿道下壁に発生する場合と後部尿道下壁に発生する場合とがある。前者では視診と触診とで十分診断がつき,治療も比較的簡単な外尿道切開による憩室切除がなされている。しかし,後者の場合では腟内触診,尿道造影および尿道鏡検査などの所見によつて始めて診断が得られるものだけに治療も複雑である。
 その治療とは,憩室嚢切除と尿道切除口を縫合閉鎖することから成る。その方法は経尿道的憩室口切開術,経腟的憩室切除術,経庭式憩室切除術,後恥骨式憩室切除術等々がある。なお,本手術には術後の尿道狭窄,尿道腟瘻,尿失禁の3つの合併症を来す危険は避け難く,これら合併症を防止すべき努力が本手術のポイントとも考えられる。われわれは経腟的憩室切除術を用いて治療をしているが,その手順と操作に当り特に留意している点とを述べることとする。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1332

印刷版ISSN:0385-2393

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