文献詳細
原著
表在性膀胱腫瘍に対するTURの治療成績
著者: 田代和也1 町田豊平1 大石幸彦1 木戸晃1 東陽一郎1
所属機関: 1東京慈恵会医科大学泌尿器科学教室
ページ範囲:P.435 - P.440
文献概要
膀胱腫瘍の発生頻度は,環境汚染,高齢化社会などの社会因子の変化とともに増加の傾向を示している1,2)。そして,膀胱腫瘍の治療は,早期症例では他臓器の悪性腫瘍と同様に根治的全摘手術で癌の病巣の除去という目的は十分に達し得る。しかし,膀胱機能の重要性を考えると,早期症例に対する膀胱全摘術は,必ずしも理想的な手段とはいえない。教室では,膀胱腫瘍患者に対して可能な限り膀胱機能を保存する目的で,1960年より経尿道的膀胱腫瘍切除術(以下TUR-Bt)を採用し,その治療成績の向上を計つてきた3,4)。教室で現在までの約20年間にTUR-Btを主体として治療した表在性膀胱腫瘍は200例以上となつたので,今回,その治療成績を臨床的側面から検討した。
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