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文献詳細

雑誌文献

臨床泌尿器科34巻5号

1980年05月発行

症例

褐色細胞腫におけるラベタロールの使用経験

著者: 徳江章彦1 高田格郎1 米瀬泰行1 海老原昭夫2

所属機関: 1自治医科大学泌尿器科学教室 2自治医科大学臨床薬理学教室

ページ範囲:P.457 - P.460

文献概要

緒言
 褐色細胞腫の手術は,過剰輸血1)による術後管理法の開発や,カテコ—ルアミン受容体遮断剤による術前処置2)が普及するに従い,容易に行なわれるようになつてきている。しかし,それでもなお泌尿器科医の行なう手術の中では危険で難しいものの1つに挙げられている。その理由は,手術手技上の問題もさることながら,術前から術後にかけての血圧を中心とした循環系の管理が,現在でも完全とはいえないことによる。
 最近,α受容体遮断作用を併せもつβ受容体遮断剤labetalolが登場し,これが褐色細胞腫の高血圧のコントロ—ルに有効であることが示されている3)。labetalolはイギリスのグラクソ社で開発された物質で,化学名は2-hydroxy-5-〔1-hydroxy-2-〔(1-methyl-3-phenylpropyl)amino〕ethyl〕benzami-deである。ヒトにおいては経口投与の場合,α受容体遮断効果とβ受容体遮断効果の比は約1:3であるとされている4)

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1332

印刷版ISSN:0385-2393

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