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文献詳細

雑誌文献

臨床泌尿器科34巻5号

1980年05月発行

Urological Letter

膀胱鏡検査時の勃起の処理について/プリアピスムス後の勃起不能

ページ範囲:P.471 - P.471

文献概要

 ヘンリー・ボドナー博士は彼の著書Diagnostic andtherapeutic Aids in Urologyの中で,麻酔の方法とは無関係に,TURの最中に陰茎が勃起することがあり,TURの操作を行ない難くすることがあると記載している。かかる場合の勃起に対しては,生理学的説明はできていないようである。上記の書物の中で,ボドナー博士らは,そのような場合には,氷水で冷した濡れガーゼでペニスの根部を包めば勃起は解消する,と言つている。
 筆者は,この勃起の問題はTURのときだけでなく,膀胱鏡検査の際にも起こることがあり,検査が思うようにできないことを経験している。この場合,患者の下肢を截石位からおろし,かつ恥骨結合の高さ以下に下げると,ほとんど即座に緩解する。緩解した後には再び截石位に戻し,尿道を拡張し,膀胱鏡検査を行なうことができる。勃起の緩解は,陰茎海綿体から浅在外陰部静脈(superficial enternal pudendal vein)およびサフェナ静脈への急速な静脈血の灌流のためであろうと思う。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1332

印刷版ISSN:0385-2393

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