icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床泌尿器科34巻6号

1980年06月発行

文献抄録

睾丸悪性奇形腫のリンパ節清掃の意義

ページ範囲:P.532 - P.532

文献概要

 悪性奇形腫に対して旁大動脈リンパ節清掃を行なうべきか否かについては欧米の泌尿器科医の間で必ずしも意見は一致していない。英国においては著者らは初期(stage Ⅰ, ⅡA)のものでは,たとえ旁大動脈に転移が考えられても,これが小型(5cm径以下)であれば化学療法と放射線照射(6 MeVリニアック,4,500rads,4〜5週にて)でよいとしている。最近は睾丸腫瘍の化学療法が進んで,悪性奇形腫の広範全身転移症例でも予後が大変良くなつた成績が報告されている(Stoter,1979)。著者らのRoyal Morsden Hospitalでは1976年1月より78年3月までに28例の初期(stage Ⅰ, ⅡA)の奇形腫に対して,旁大動脈節へ放射線照射のみを行なつて全例1年から3年健康に生活している経験から上記の治療方針を支持している。
 この論文では33例の悪性奇形腫を治療法に応じて3群に分けて結果を検討した。第1群13症例は旁大動脈節に放射線照射を主体としたが,6例には抗癌剤も投与した。第2群は13症例で,まず化学療法(ビングラスチン,ブレオマイシン,シスプラチン)を2〜6クール施行,4週間おいて放射線を旁大動脈節に照射,更に4週後に残存腫瘤があればこれを摘出した。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1332

印刷版ISSN:0385-2393

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら