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シンポジウム
脊髄損傷に基因する尿路障害に対する手術療法の適応と限界
著者: 辻一郎1 緒方二郎2 宮崎一興3 小柳知彦4 大沼徹太郎5 中新井邦夫6 岩坪暎二7
所属機関: 1北海道大学医学部泌尿器科学教室 2熊本大学医学部泌尿器科学教室 3神奈川県総合リハビリテーションセンター泌尿器科 4北海道大学泌尿器科学教室 5東北大学医学部泌尿器科学教室 6星ヶ丘厚生年金病院泌尿器科 7総合せき損センター泌尿器科
ページ範囲:P.537 - P.550
文献購入ページに移動外傷性か非外傷性かを問わず脊髄障害患者の社会復帰のkey pointが,脊損神経因性膀胱とその続発腎・尿路病変の対策いかんにあることはいうまでもない。脊髄病変が固定期に入つて各種保存的療法にかかわらず効率のよい自排尿能力がえられず続発尿路病変も進行性の場合の対策として,従来いろいろな泌尿器科的あるいは神経外科的手術療法が提唱されているが,各術式の適応と成績評価については諸家の意見にかなりの違いがみられる。この問題はパラプレジア医学会の主要テーマとして既にたびたびとりあげられているが,最近数年間に下部尿路の機能・構造に関する新知見(特に従来看過されていた交感神経系の重大な役割)が次々と明らかにされそれに基づく新たな薬物療法が開発され,また一方神経因性膀胱に対する間歇的自己導尿法が広く普及してきた現在,脊損尿路障害に対する手術療法の適応と評価も新たな観点から再検討されねばならないわけであり,今回のシンポジウムもこの意味で時機をえたものと思われる。
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