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文献詳細

雑誌文献

臨床泌尿器科34巻6号

1980年06月発行

文献概要

シンポジウム

脊髄損傷に基因する尿路障害に対する手術療法の適応と限界

著者: 辻一郎1 緒方二郎2 宮崎一興3 小柳知彦4 大沼徹太郎5 中新井邦夫6 岩坪暎二7

所属機関: 1北海道大学医学部泌尿器科学教室 2熊本大学医学部泌尿器科学教室 3神奈川県総合リハビリテーションセンター泌尿器科 4北海道大学泌尿器科学教室 5東北大学医学部泌尿器科学教室 6星ヶ丘厚生年金病院泌尿器科 7総合せき損センター泌尿器科

ページ範囲:P.537 - P.550

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 本論文は,1979年10月別府市で中村裕氏を会長として開催された第14回日本パラプレジア医学会のシンポジウム「尿路障害に対する手術療法の適応と限界」の要旨である。
 外傷性か非外傷性かを問わず脊髄障害患者の社会復帰のkey pointが,脊損神経因性膀胱とその続発腎・尿路病変の対策いかんにあることはいうまでもない。脊髄病変が固定期に入つて各種保存的療法にかかわらず効率のよい自排尿能力がえられず続発尿路病変も進行性の場合の対策として,従来いろいろな泌尿器科的あるいは神経外科的手術療法が提唱されているが,各術式の適応と成績評価については諸家の意見にかなりの違いがみられる。この問題はパラプレジア医学会の主要テーマとして既にたびたびとりあげられているが,最近数年間に下部尿路の機能・構造に関する新知見(特に従来看過されていた交感神経系の重大な役割)が次々と明らかにされそれに基づく新たな薬物療法が開発され,また一方神経因性膀胱に対する間歇的自己導尿法が広く普及してきた現在,脊損尿路障害に対する手術療法の適応と評価も新たな観点から再検討されねばならないわけであり,今回のシンポジウムもこの意味で時機をえたものと思われる。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1332

印刷版ISSN:0385-2393

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