文献詳細
手術手技
勃起不全によるインポテンツ(erectile impotence)の手術
著者: 岡本重禮1 藤岡知昭1
所属機関: 1聖路加国際病院泌尿器科
ページ範囲:P.725 - P.730
文献概要
勃起不全によるインポテンツの手術には大別して陰茎海綿体に対する血管再生手術と補綴(pro-sthesis)***挿入手術がある。前者は1977年に創始され,多くは動脈を陰茎海綿体に吻合し,陰茎海綿体の血流を増加させることを目的としているが,欧米においても未だ治療成績について結論を出すまでには至つていない段階にあるので,これを省略し,ここでは後者のprosthesis挿入手術についてだけ記述したい。
prosthesis挿入によるインポテンツの治療は1960年Loeflerらのsingle rod prosthesis1),およびBerhriのdouble rod prosthesis2)に始まり,その後幾多の追試や改良が加えられ今日に至つている。当初prosthesisの材質はアクリル樹脂やポリエチレンであつたものに代つて1967年Peaman3)によつてシリコーン樹脂が使用されて以来不動のものとなつている。さらにSmallらによりsemi-rigid double rods(いわゆる Small Carrion pro-sthesis)が考案されたことにより4)prosthesisによるインポテンツの手術療法が世界中に広まつてきている。
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