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文献詳細

雑誌文献

臨床泌尿器科34巻8号

1980年08月発行

講座

腫瘍と免疫(8)—細胞性の免疫抑制

著者: 漆崎一朗1

所属機関: 1札幌医科大学第四内科

ページ範囲:P.731 - P.737

文献概要

はじめに
 免疫応答はT細胞,B細胞およびmacrophageなどの細胞の相互作用によつて調節されていると考えられてきている。しかし,その主役はT細胞であり,正の方向に作用するT細胞群すなわちhelper T細胞,amplifier T細胞と負の作用,免疫抑制に働くT細胞すなわちsuppressor T細胞とに分類することができる。とくにsuppressor T細胞の存在は免疫応答系のnetwork説の出現とともに最近注目を集め,体液性免疫応答,細胞性免疫応答を問わず,広範囲の免疫系で証明されてきている1,2)。さらに免疫応答に占める macro-phageの位置,その機能の複雑さが追求されsupp-ressor macrophageの存在も報ぜられてきている3,4)。これらsuppressor cellによる免疫抑制機構の研究分野は多岐にわたり,その進歩は日進月歩の感があり,かつ総説も発表されているところである5)。本稿では腫瘍免疫を中心に動物実験の所見と人癌のそれを分けて記載するが,その方法論の困難性から人癌に関する研究業績は必ずしも多くないことをおことわりしなければならない。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1332

印刷版ISSN:0385-2393

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