文献詳細
手術手技
文献概要
永久的尿路変更法として今日もつとも広く用いられている回腸導管造設術は,長期の観察成績が明らかになるにつれて,重大な晩期合併症である腎機能障害が成人で約20%,小児で30〜68%の高率にみられている1〜3)。ストーマの狭窄,尿管吻合部の狭窄およびそれらに起因する腎結石,腎感染がその原因として以前より考えられていたが,最近回腸尿管逆流の問題がクローズアップされてきた4,5)。
先の長期観察の成績でも,10〜20%に腎盂腎炎の発症がみられているのに反し,逆流防止術を行なつた結腸導管造設術では腎盂腎炎が非常に少ない6)。動物実験の成績でも,逆流のある回腸導管で83%,逆流防止を行なつた結腸導管で7%の腎に組織学的に腎盂腎炎がみられている7)。これらのことから,回腸導管といえどもやはり逆流防止に留意すべきとして,いくつかの尿管逆流防止術が試みられたが,必ずしも満足なものでなく,結腸に比べると技術的にも難しい8〜10)。
先の長期観察の成績でも,10〜20%に腎盂腎炎の発症がみられているのに反し,逆流防止術を行なつた結腸導管造設術では腎盂腎炎が非常に少ない6)。動物実験の成績でも,逆流のある回腸導管で83%,逆流防止を行なつた結腸導管で7%の腎に組織学的に腎盂腎炎がみられている7)。これらのことから,回腸導管といえどもやはり逆流防止に留意すべきとして,いくつかの尿管逆流防止術が試みられたが,必ずしも満足なものでなく,結腸に比べると技術的にも難しい8〜10)。
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