icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床泌尿器科34巻9号

1980年09月発行

手術手技

回盲部導管造設術

著者: 折笠精一1

所属機関: 1東北大学医学部泌尿器科学教室

ページ範囲:P.833 - P.836

文献概要

 永久的尿路変更法として今日もつとも広く用いられている回腸導管造設術は,長期の観察成績が明らかになるにつれて,重大な晩期合併症である腎機能障害が成人で約20%,小児で30〜68%の高率にみられている1〜3)。ストーマの狭窄,尿管吻合部の狭窄およびそれらに起因する腎結石,腎感染がその原因として以前より考えられていたが,最近回腸尿管逆流の問題がクローズアップされてきた4,5)
 先の長期観察の成績でも,10〜20%に腎盂腎炎の発症がみられているのに反し,逆流防止術を行なつた結腸導管造設術では腎盂腎炎が非常に少ない6)。動物実験の成績でも,逆流のある回腸導管で83%,逆流防止を行なつた結腸導管で7%の腎に組織学的に腎盂腎炎がみられている7)。これらのことから,回腸導管といえどもやはり逆流防止に留意すべきとして,いくつかの尿管逆流防止術が試みられたが,必ずしも満足なものでなく,結腸に比べると技術的にも難しい8〜10)

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1332

印刷版ISSN:0385-2393

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら