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文献詳細

雑誌文献

臨床泌尿器科34巻9号

1980年09月発行

講座

腫瘍と免疫(9)—悪性腫瘍の免疫療法

著者: 漆崎一朗1

所属機関: 1札幌医科大学第4内科

ページ範囲:P.837 - P.842

文献概要

はじめに
 すでにのべてきたことから,癌細胞には特異抗原があり担癌生体はこれに何らかの免疫応答を示していることは確かであるといえる。しかし,すべての癌細胞に特異抗原が証明されているわけではなく,またすべての担癌生体に免疫応答が発見されているわけではない。したがつて,ある腫瘍に特異抗原が存在しないとするならば,このような腫瘍に本来の意味での免疫療法はありえないのである。副作用がすくない,とくに白血球の減少が防止されるという報告があるが,それが免疫学的機序によるものでない限りは,免疫療法の効果として論ずることはできない。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1332

印刷版ISSN:0385-2393

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