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文献詳細

雑誌文献

臨床泌尿器科35巻1号

1981年01月発行

手術手技 泌尿器科関連領域の手術

腸瘻造設術

著者: 松林冨士男1 天野純治1

所属機関: 1日本医科大学第2病院外科

ページ範囲:P.21 - P.26

文献概要

はじめに
 腸瘻には内腸瘻と外腸瘻とがあり,内腸瘻は他臓器と交通するものをいい,外腸瘻は体表外と交通するものをいう。したがつて人工的腸瘻造設術での内瘻造設術とは消化管同志の吻合をいい,外瘻造設術とは腸内容を体表外に導く術式をいつている。この外腸瘻には腸内容の全部を排出するものに結腸を用いたいわゆる人工肛門と全結腸切除後につくられる回腸瘻がある。この回腸瘻は人工肛門のカテゴリに入るべきものであるが,現在のところ人工肛門とはいつていない。他の一つの腸瘻は腸内容の一部が体表外に排出されるもので,空腸,回腸,盲腸,虫垂,結腸にその目的に応じた体表部位にいろいろの形の腸瘻が造設されている。一般に腸瘻といわれる狭義の腸瘻がこれにあたるものと思う。腸瘻を理解しやすくするために分類してみると第1表のごとくなる。この表でもわかるように腸瘻造設全般にわたり申しのべることは膨大な紙面を要することであり,筆者らに与えられた腸瘻造設術は狭義の腸瘻造設術と理解したい。この腸瘻は栄養補給と腸内容排除,減圧の目的で主として造設される。この造設術においても数多くの術式があり,与えられた紙面と図表ではすべてを論ずることは不可能であり,できたにしてもその術式の成書よりの転載羅列にすぎなくなる。そこで筆者らの日常行なつている狭義の腸瘻の造設術について述べる。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1332

印刷版ISSN:0385-2393

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