文献詳細
原著
選択的静脈血採取法による副甲状腺腫瘍の術前局在診断
著者: 松尾重樹1 加藤哲郎1 根本良介1 森久1 鈴木隆志1 木津典久1 新藤雅章2
所属機関: 1秋田大学医学部泌尿器科学教室 2秋田大学医学部放射線科学教室
ページ範囲:P.59 - P.64
文献概要
原発性副甲状腺機能亢進症(以下,原発性HPT)の原因となる副甲状腺腫瘍の多くは,直径2cm以下の小腫瘍であるため腫瘍の局在を正確に診断することは容易でない。従来から副甲状腺腫瘍の局在診断には副甲状腺シンチ,食道造影,甲状腺リンパ造影,サーモグラフィー,あるいは選択的甲状腺動脈造影などの各種診断法が用いられ,最近では超音波断層法(エコーグラム)やCTスキャンによる診断も試みられている1)。しかし,いずれも腫瘍の局在決定にとつて十分な診断法とはいえない。そこで,以上に述べた画像診断法に代わつて超選択的静脈血採取法による副甲状腺ホルモン(以下,PTH)分布から腫瘍の局在を診断する方法が注目されるようになつた2)。
われわれは最近経験した原発性HPT 4例に対して,各種画像診断とともに超選択的静脈血採取による局在診断を行ない,良好な成績を収めたので報告する。
掲載誌情報