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原著
尿路感染症分離菌とその薬剤感受性について
著者: 金子裕憲1 阿部定則1 国沢義隆1 西村洋司1 森伴雄2 上原良子2 多田信子2
所属機関: 1三井記念病院泌尿器科 2三井記念病院中央検査部
ページ範囲:P.65 - P.70
文献購入ページに移動尿路感染症は泌尿器科領域における重要な疾患の1つであり,その治療の中心となるものは化学療法である。近年化学療法剤の進歩は著しいが,その反面起炎菌も従来のグラム陽性球菌に代つてグラム陰性桿菌が大半を占め,そのうち以前は非病原菌と考えられたPseudomonas,Proteus,Serratiaなどによる難治性感染症の増加や,多剤耐性株の出現といつた新たな問題が生じている。
尿路感染症の治療にあたつては,まずその起炎菌を決定し,それに適合する化学療法を行なうことが原則となる。薬剤の選択にあたつては起炎菌側の菌種と薬剤感受性の分布について最近の傾向を知ることであり,次に宿主側の有する因子についても考慮に入れておく必要がある。
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