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文献詳細

雑誌文献

臨床泌尿器科35巻10号

1981年10月発行

綜説

TURPの教育法

著者: 小柳知彦1

所属機関: 1北海道大学医学部泌尿器科学教室

ページ範囲:P.937 - P.944

文献概要

はじめに
 私がミシガン大学での泌尿器科レジデントを終了し帰国してから既に11年となる。3年間のレジデント教育期間中にReed M. Nesbit, Jack Lapides両教授から多くのことを学ばせていただいたが,そのうちの一つが経尿道的切除法である。米国で1930年以降に始まつたTUR法の進歩に少なからず寄与し,現在の確立された術式となるまでの過程を実際に見とどけた一人であるNesbit1)(第1図)と彼に教育を受けた多くの人達から直接TUR法を教わつた私が,今こうしてその教育法を語れることは大きな喜びである。
 米国のみならず西欧その他でもTUR法は今日前立腺肥大症の主流となつており,本邦もまた例外ではない。北大とその関連病院の場合でも前立腺肥大症に対する術式としてTURは1970年以前には極めて少数にしか施行されていなかつたのが,以後漸次普及し最近では9割以上がTUR法で占められるようになつてきている。もちろん,このような普及の背景に近年の輸液,輸血,化学療法などの進歩および優秀なsurgical unitとfiberoptic lensの開発導入が関係していることは言うまでもないが,同時に的確に施行されればTUR法が安全,確実な術式であるとの認識がこれを実際に施行した人,あるいは術後の患者を実際に見た人達の間で広まつたことも大きな因子であろう。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1332

印刷版ISSN:0385-2393

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