文献詳細
原著
前立腺超音波画像の計量診断
著者: 木村明1 金子裕憲1 樋口照男1 小峰志訓2 中村昌平2 新妻雅治2 新島端夫2
所属機関: 1東芝中央病院泌尿器科 2東京大学医学部泌尿器科学教室
ページ範囲:P.1165 - P.1168
文献概要
経直腸的超音波断層法1)は,前立腺疾患のスクリーニング検査として有用で,一部では前立腺癌の集団検診への応用も試みられている2)。検査法は比較的容易で,探触子を直腸内に十分挿入した後,5mm間隔でおろしながら,連続して横断像を撮影することにより,再現性の高い前立腺断層像が得られる。しかし,その読影はもつぱら超音波診断の経験を持つ泌尿器科医師によつて行なわれており,多数の症例を扱う場合には,読影する医師の手間が問題となると考えられる。電算機を使用することにより,医師の読影前にある程度の振り分けができれば,この問題の解決の一助となる。また同一症例を複数の医師が検討した場合,意見が分かれる場合もあり,より客観的なパラメーターを求めることも同様に有益なことと思われる。すなわち,今回の試みの第一の目的は,前立腺癌検診のような場合の大量の情報を能率的に処理するシステムの開発であり,第二の目的は,前立腺疾患の補助診断として施行された超音波検査の結果を,より客観的なデータとすることである。
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