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精上皮腫はstage Ⅰ,Ⅱのものは除睾術後に大動脈,腸骨窩リンパ節に2,500radの放射線照射が行われて,その治癒率は前者で95%,後者で75〜90%と言われている。しかし,stage Ⅲ,Ⅳ(high stage)となるとリンパ節の転移は横隔膜をこえ,他臓器組織への転移もあるので放射線治療の治療率はSmithらの報告によると22.1%と極めて低率となる。そこでstage Ⅲ,Ⅳの精上皮腫の治療は放射線によらず抗癌剤の併用投与による方法がよいと言われる。著者らは19症例のhigh stageの精上皮腫に対して抗癌剤の併用治療を行つて極めて好成績を得たとして報告している。投与抗癌剤は非精上皮腫性腫瘍に用いられているcis-diammine dichroloplatinum vinbl-astin,bleomycinの三者併用で,投与形式はplatinum 20mg/M2を週5日間,3週毎に4コース計400mg/M2,bleomycinは週30単位で12週計360単位,vinblastineは0.2〜0.4mg/kgを3週毎に4コースを与える。platinumは十分なhydration(100ml/hour)と共に投与した。19症例の組織像は7例はanaplastic(37%),12例はclassic seminomas(63%)で,腫瘍マーカーでは治療前に9例がHCGの上昇を示し,うち2例はAFPも上昇していた。
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