文献詳細
綜説
文献概要
緒言
副腎は他の臓器に比べてその大きさが小さいのにかかわらず,生命の維持に必須の各種ホルモンを分泌している。したがつて副腎の機能性腫瘍によるホルモン分泌過剰では著明な全身症状を呈し,予後の不良なものも存在する。副腎疾患の診断はステロイドならびにカテコールアミンの測定法の進歩により比較的容易となつたが,その原因が腫瘍によるものか,また腫瘍が左右副腎のいずれに存在するのかの診断は現在でも困難な場合がある。特に原発性アルドステロン症の副腎腺腫は極めて小さく,その局在を明らかにすることは困難である。さらに,腫瘍の存在しない特発性アルドステロン症や糖質コルチコイド反応性アルドステロン症が存在して,その鑑別も容易ではなく,腫瘍が存在するものと考えて手術を行なつても腫瘍を発見できない場合がある。筆者1)はすでに5年前本誌上に副腎腫瘍の局在診断について発表したが,本文ではその後に開発された副腎CTスキャンおよび副腎超音波診断による副腎腫瘍の局在診断を原発性アルドステロン症を中心としてのべることとする。
副腎は他の臓器に比べてその大きさが小さいのにかかわらず,生命の維持に必須の各種ホルモンを分泌している。したがつて副腎の機能性腫瘍によるホルモン分泌過剰では著明な全身症状を呈し,予後の不良なものも存在する。副腎疾患の診断はステロイドならびにカテコールアミンの測定法の進歩により比較的容易となつたが,その原因が腫瘍によるものか,また腫瘍が左右副腎のいずれに存在するのかの診断は現在でも困難な場合がある。特に原発性アルドステロン症の副腎腺腫は極めて小さく,その局在を明らかにすることは困難である。さらに,腫瘍の存在しない特発性アルドステロン症や糖質コルチコイド反応性アルドステロン症が存在して,その鑑別も容易ではなく,腫瘍が存在するものと考えて手術を行なつても腫瘍を発見できない場合がある。筆者1)はすでに5年前本誌上に副腎腫瘍の局在診断について発表したが,本文ではその後に開発された副腎CTスキャンおよび副腎超音波診断による副腎腫瘍の局在診断を原発性アルドステロン症を中心としてのべることとする。
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