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文献詳細

雑誌文献

臨床泌尿器科35巻5号

1981年05月発行

文献抄録

パイロニー病の非観血的治療

ページ範囲:P.463 - P.463

文献概要

 パイロニー病を初めて報告したのはFrancois de la Peyronie (1743)であるが,以来この疾患に対して極めて多くの治療法が報告されており,本病の臨床像は確立されているが,その病因についてはなお不明の状態である。本病の治療は泌尿器科医にとつて疑問な点が多い。すなわち硬結が発見されても少なからぬ症例が長期の観察で白然治癒したりそのままの状態で進行しないことが報告されているからである。
 著者らは1964年から1974年の10年間に45症例を経験しその臨床像と経過を最低4年以上観察して,自然治癒可能の病像あるいは治療症例の経過を詳細に追つて報告している。症例は37歳から最高78歳までで,平均57歳で,50歳から60歳の症例が19例で最も多い。家族歴もパイロニー病と膠原病,痛風,Dyputren病素因との関係について調査した。局所所見では硬結の発生部位,数,大きさ,硬度,勃起の可否,性交状態を経過と治療の前後で検討した。45例は初診で診断されてから全例1年間無処置で経過を見たが,この間に3例が自然治癒した。この3例は亀頭部近くに硬い小硬結を触れていた。1年経過後自然治癒のなかつた42例にはtriamcinolone hexacetonideの2mgを6週に1回計6回硬結自体とその周辺に注射した。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1332

印刷版ISSN:0385-2393

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