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文献概要
原著
尿路悪性腫瘍と尿中ポリアミン
著者: 赤阪雄一郎1 町田豊平1 田中彰2
所属機関: 1東京慈恵会医科大学泌尿器科学教室 2国立衛生試験所医化学
ページ範囲:P.657 - P.663
文献購入ページに移動増殖の盛んな組織においては,polyamineの合成や蓄積が亢進していることが以前より知られている1〜3)。癌組織は旺盛な蛋白合成,核酸合成を行ない,増殖の盛んな組織であるので,組織内のpolyamine含量は上昇していると考えられ,諸家により悪性腫瘍とpolyamine値の変動についての関心が持たれており4〜8),癌の補助診断の一つとして尿中polyamine測定の有用性が示唆されている。今回われわれは薄層クロマトグラフ法を用いて,尿路悪性腫瘍患者の尿中polyamine分画測定(putrescine, spermidine, spermine)を行ない,その臨床的意義を検討した。
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