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症例
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紡錘型細胞癌とは形態的な特徴から名付けられた診断名であり,多数の膠原線維を有し,その中に紡錘型の腫瘍細胞が存在するような腫瘍を指している1)。この腫瘍は肉腫様増殖を示すため癌肉腫carcinosarcomaとして報告されてきた2,3)。しかし,電顕的観察により,本腫瘍のなかには癌肉腫ではなく扁平上皮癌が存在することが明らかとなつた1,4)。すなわち,それらの紡錘型細胞癌は扁平上皮癌のvariantと考えられてきている。今回,最近経験した腎紡錘型細胞癌の臨床所見,光顕像,電顕所見を記載し,本腫瘍の組織発生histo-genesisに関して考察を試みたい。
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