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文献詳細

雑誌文献

臨床泌尿器科36巻1号

1982年01月発行

手術手技

追加発言・1

著者: 増田富士男1

所属機関: 1東京慈恵会医科大学泌尿器科学教室

ページ範囲:P.22 - P.23

文献概要

 竹内先生の「腎切石術」を拝読した結果,私の手術手技と根本的には相違のないことが確かめられたが,二,三の点について私自身の考えを述べてみたい。
 腎血流の遮断の際に,腎動脈のみをclampするか,あるいは筆者のように腎動静脈を一緒にclampするかは意見のわかれるところである。この点は第18回国際泌尿器科学会のintrarenal surgeryについてのround table discussionでも問題となつたが,文献や私の経験からみて,米国では腎のうつ血をさけるために,腎動脈のみを遮断するのが一般的のようである。私自身は,当初は南武名誉教授の指導により腎動静脈を一緒にclampしており,その際は南式の腎茎圧迫鉗子を用いていたが,最近の5年間はブルドック血管鉗子を用いて腎動脈のみの遮断を行つてきた。しかし,現在は再び腎動静脈をともにclampしているが,これは腎静脈を同時に遮断しても腎のうつ血が助長されることはまずなく,かつ腎茎部の剥離が最小限ですむからであり,鉗子としてはsatinskyの血管鉗子を用いている。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1332

印刷版ISSN:0385-2393

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