icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床泌尿器科36巻10号

1982年10月発行

手術手技

追加発言・1—経尿管・尿管瘻術

著者: 竹内弘幸1 横川正之1

所属機関: 1東京医科歯科大学医学部泌尿器科学教室

ページ範囲:P.918 - P.919

文献概要

 主題をはなれるが,はじめに用語の問題にふれておきたい。transuretero-ureterostomyに対する日本語訳として,交叉性尿管尿管吻合術を用いる者が多く,本稿の主論文記述者である松本は尿管尿管吻合術を用いられており,いまだ一定していない。医学用語では原語をなるべく頭から順にそのまま訳してそれぞれの語義がわかるように配列する方針がとられており,しかも個々の原語と訳語とはなるべく一対一に対応するのがよいとされている。この方針に従うと,"trans-"はある物を貫き超えて向う側へという意味から"経"あるいは"超"と訳され,"-stomy"はstomaを作ることつまり口あるいは瘻を作ることから"フィステル形成術"あるいは"造瘻術"と訳されている。これを吻合術とするのはおかしい。同語にはanas-tomosisが対応しているからである。したがつて"transuretero-ureterostomy"は"経尿管・尿管造瘻術"あるいは"経尿管・尿管フィステル形成術"とするのが正しいが,後半の部分は簡略に"-尿管瘻術"でよいのではなかろうか。これで原語の意味する他側の尿管を経て患側尿管の尿を流出させる術,という内容はよく了解できよう。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1332

印刷版ISSN:0385-2393

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら