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文献詳細

雑誌文献

臨床泌尿器科36巻12号

1982年12月発行

手術手技

尿管S状結腸吻合術

著者: 宮崎重1 高崎登1

所属機関: 1大阪医科大学泌尿器科学教室

ページ範囲:P.1101 - P.1106

文献概要

はじめに
 膀胱全摘除術後の尿路変更としてどのような術式が最適であるかはそれぞれの症例について判断しなければならない。尿管S状結腸吻合術の長所は外尿瘻がなくほぼ健康者と同様の生活を営むことができる点である。しかし,糞便混在の尿の逆流による上行性尿路感染や吻合部狭窄にもとづく腎機能の低下,尿成分の吸収による過塩素性アシドーシスの合併などの理由から,1950年代以降はあまり行われなくなつた。しかし,近年,化学療法の進歩,体液異常の検査と治療の簡易化,輸液療法の進歩,尿管・腸吻合術式の改良などによつて,これらの合併症は調節できるようになり,本術式が再び注目されるようになつてきている。尿逆流による上行感染や吻合部狭窄による水腎症は尿管腸吻合の手技によるところが多く,狭窄を来さずしかも逆流を防止しうる吻合法が望ましい。一般的には,逆流防止法としては粘膜下トンネル法による吻合が行われ,吻合部の狭窄防止法としては腸管と尿管とのmucosa to mucosaによる吻合が行われている。わが国では,その両者を兼ねそなえたLeadbetter法を行つている人が比較的多いようである。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1332

印刷版ISSN:0385-2393

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