文献詳細
交見室
膀胱腫瘍の深達度について
著者: 横川正之1 岡田耕市2 大内達男3
所属機関: 1東京医歯大泌尿器科 2埼玉医大泌尿器科 3順天堂大泌尿器科
ページ範囲:P.1176 - P.1177
文献概要
昨年と本年の2回続けた日泌東部連合総会ワークショップ「表在性膀胱腫瘍の治療」でも,表在性腫瘍(Ta・T1)のうちlow gradeはTURをはじめどんな膀胱温存の治療でも概ね結果は良いが,high gradeは要注意であり,時に根治的治療を要するというのが演者のほぼ一致した見解であつた。なおついでに,本来high gradeであるTisは分類上は表在性になるかもしれないが,low gradeのTa・T1とはまつたく別物と考えるべきであるばかりか,T2やT3も加えてmassをつくる腫瘍とは区別する必要が論ぜられた。そうしないとflatなTisの微小な浸潤がいきなり膀胱壁を貫通したり前立腺に及んだとき,massがないのにT3b (pT3)とかT4a (pT4)と呼ぶべきかどうかで混乱するからである。
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