文献詳細
症例
血液透析後,膀胱全摘術および回腸導管造設術を施行した膀胱マラコプラキアの1例
著者: 三井久男1 森口隆一郎1 小川忠1 玉井秀亀1 星長清隆1 長久保一朗1
所属機関: 1立川共済病院泌尿器科
ページ範囲:P.167 - P.171
文献概要
膀胱マラコプラキアは1902年MichaelisおよびGutmannによつて報告され,von Hansemannにより1903年命名された比較的まれな疾患とされているが,最近その報告も次第に増加しつつある。われわれは膀胱壁全体に及ぶマラコプラキアによつて起こつてきた二次的な腎不全患者に血液透析を施行したのち,膀胱全摘術と尿管皮膚移植術を施行,その後に回腸導管造設術を施行し血液透析より離脱せしめ,現在外来通院中の症例を報告する。なお膀胱マラコプラキアに対する腸管を利用しての尿路変更術は,Feldmann1)により1980年膀胱全摘術および回腸導管造設術を施行した例がはじめて報告されているが,本邦ではそのような報告は見当らず,また血液透析より離脱せしめた膀胱マラコプラキアの症例の報告はいまだ見当らない。
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