文献詳細
手術手技
文献概要
Ⅰ.術前処置
腎盂形成術は,腎盂尿管移行部に何らかの原因(多くは先天性)による尿流の通過障害があつて,腎盂,腎杯の拡張および腎実質の萎縮が招来される場合,通過障害に対して形成手術を施して尿流を円滑にし,腎機能の保存,回復を図る手術である。したがつて,本手術の実施に当つては,術前に腎機能の状況をよく把握し,これが保存,改善に値することを確かめておかなければならない。分腎機能の正確な判定は必ずしも容易でない。分腎クリアランス,分腎血流量測定,レノグラムあるいはシンチグラフィー,さらにコンピューター・トモグラフィー(CT)などにより可能であるが,常に実施しうるとは限らず,臨床の実際では排泄性腎盂造影で見当をつけることが多い。腎盂造影において,造影剤のしかるべき排泄を認めれば,一応本手術の適応とすることができる。逆に,排泄のほとんど認められない場合は本手術よりも腎摘除の対象とするが,両側性水腎症であれば,腎摘除を行うことなく,保存的手術が絶対的適応となる。
術前処置として特別なものはあまりないが,しぼしば乳幼児で実施されるため,全身状態をよく把握しておく必要があり,授乳,食事の実状を知り,また感染症やアレルギーの合併には十分に対処しておかなければならない。
腎盂形成術は,腎盂尿管移行部に何らかの原因(多くは先天性)による尿流の通過障害があつて,腎盂,腎杯の拡張および腎実質の萎縮が招来される場合,通過障害に対して形成手術を施して尿流を円滑にし,腎機能の保存,回復を図る手術である。したがつて,本手術の実施に当つては,術前に腎機能の状況をよく把握し,これが保存,改善に値することを確かめておかなければならない。分腎機能の正確な判定は必ずしも容易でない。分腎クリアランス,分腎血流量測定,レノグラムあるいはシンチグラフィー,さらにコンピューター・トモグラフィー(CT)などにより可能であるが,常に実施しうるとは限らず,臨床の実際では排泄性腎盂造影で見当をつけることが多い。腎盂造影において,造影剤のしかるべき排泄を認めれば,一応本手術の適応とすることができる。逆に,排泄のほとんど認められない場合は本手術よりも腎摘除の対象とするが,両側性水腎症であれば,腎摘除を行うことなく,保存的手術が絶対的適応となる。
術前処置として特別なものはあまりないが,しぼしば乳幼児で実施されるため,全身状態をよく把握しておく必要があり,授乳,食事の実状を知り,また感染症やアレルギーの合併には十分に対処しておかなければならない。
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