文献詳細
原著
膀胱癌患者におけるPhytohemagglutinin (PHA)皮内反応の検討
著者: 沼沢和夫1 平野和彦1 政木貴則1 高見沢昭彦1 平野順治1 川村俊三1 鈴木騏一1
所属機関: 1山形大学医学部泌尿器科学教室
ページ範囲:P.253 - P.258
文献概要
近年,腫瘍免疫学の発展により,細胞性免疫能が癌に対する生体の防御反応に重要な役割を果たすことが明らかにされてきている。すなわち担癌生体において細胞性免疫能の低下がみられることや,癌の進展に伴つて免疫能が低下することがこれまでに報告されており,このことより,担癌患者の治療効果の判定や,治療法の選択,癌の進行度や予後の判定などが細胞性免疫能の測定によつて可能となつてきている。
細胞性免疫能の測定は遅延型皮膚反応やin vitroでの種々の検査法によつて行われてきているが,in vitroでT-cell mitogenであるPhytohemagglu-tinin(PHA)を用いたPHA皮内反応は臨床上簡便かつ有用な免疫能パラメーターとして用いられている。
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