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文献詳細

雑誌文献

臨床泌尿器科36巻5号

1982年05月発行

手術手技

腎固定術

著者: 川口安夫1

所属機関: 1佼成病院泌尿器科

ページ範囲:P.413 - P.416

文献概要

 腎固定術は,容易な手術と思われがちであるが,実際は,確実な結果を求められる難しい手術である。そのために,数多くの術式があり,Heise1)によれば,約170種あるといわれている。遊走腎症の場合,手術法はもちろんのこと,適応症例の選択も術後の結果を左右する。主目的な手術の後で付随的に行われる症例では,複雑な術式でなく,簡単で確実性のある術式であることが望ましい。
 著者は,15年前まではDodsonによるKelly変法2),Deming法3)を行つていたが,最近では,Deming法のみを行つている。この方法は,皮膚弁,筋肉弁,人工品を使用せず,正常な支持組織を使用し,腎実質,腎被膜を損傷することがないので,最も生理的なものである。この方法の要点は,腎の固定位置の決定および腎と腎床の間の癒着である。癒着を完全にするため術後の臥床期間が重要となる。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1332

印刷版ISSN:0385-2393

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