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文献詳細

雑誌文献

臨床泌尿器科36巻7号

1982年07月発行

手術手技

腎部分切除術

著者: 長久保一朗1

所属機関: 1立川共済病院泌尿器科

ページ範囲:P.615 - P.621

文献概要

はじめに
 腎の一部を切除して結石や憩室をとり出す手術は,泌尿器科領域において比較的多用されている術式であり,恐らくWells(1884)1)が最初であろうとされている。最近になりこの腎部分切除術は両側の腎腫瘍やbench surgeryにまで適応範囲が拡がりつつある。しかし,腎部分切除術の適応は腎結石が最も多く,その術式もさまざまである。腎結石の手術は腎盂切石術ができれば,腎の実質を切除する部分切除術はなるべく避けた方がよい。しかし,腎内の結石の位置,大きさ,数などにより,腎部分切除術が必要となつてくる。結石が腎杯内に深く入り込んでいるか,腎杯内に多発しているような限局性の結石に対して,腎部分切除術が一般に施行される。腎結石の性質上,結石の再発などは腎の下腎杯に多く,腎部分切除の中で最も多いのは,腎の下極を切除する方法であろう。また,上極を切除する方法も比較的稀ではない。これらの腎の上極または下極を切除する方法は,かなり多くの報告がなされているし,その術式についても大差がないため簡単に述べることとし,今回はかなり大きなサンゴ状結石とそれに伴う多発性の結石について述べたいと思う。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1332

印刷版ISSN:0385-2393

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