icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床泌尿器科36巻7号

1982年07月発行

Urological Letter

バルーンカテーテルが収縮しないとき/陰茎プロテーゼの埋め込みに対する一つの見方

ページ範囲:P.633 - P.633

文献概要

 泌尿器科の診療上,時には誰でもバルーンカテーテルのバルーンを収縮できないことを経験している。こういう例は普通の患者よりも家庭にいて訪問看護婦によつてケアされている患者やカテーテルを長く使つている高齢者の場合に多い。この問題を解く様々な手技は今までに記述されてきた。バルーンが破れるまで膨らますのはあまりにも痛い。エーテルを入れることには副作用の心配がある。カテーテルの中にスタイレットを入れて破ることには危険が伴う。
 バルーンが破れないでカテーテルがそのまま抜けることが偶然に起こることがあるが,このことはバルーンを収縮できない時にこの方法でも抜き得るという事実の無言の証拠である。だからと言つてこの方法を推賞するのではない。筆者は15年前にあるジャーナルクラブレターに一つの簡単な方法を紹介した。すなわち脊椎麻酔用の22ゲージ針のような細い針を直腸内から刺してバルーンを破る方法である。それにはカテーテルを引つぱつてバルーンが膀胱三角部に位置するようにしてから実施する。少しの痛みはあるが,感染や出血の経験はない。問題になるのはバルーンのゴムの破片が膀胱内に残ることがあることである。したがつてカテーテルを抜去したときバルーンに欠損部がないことを精しく調べなければならない。もしも少しでも欠損部があれば後日膀胱鏡で検査しなければならない。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1332

印刷版ISSN:0385-2393

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら