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文献詳細

雑誌文献

臨床泌尿器科36巻8号

1982年08月発行

手術手技

下部尿管切石術

著者: 栗田孝1 加藤良成1 辻橋宏典1 杉山高秀1

所属機関: 1近畿大学医学部泌尿器科学教室

ページ範囲:P.719 - P.725

文献概要

はじめに
 泌尿器科医にとつては尿管結石は慣例的な疾患の一つである上に,手術を含めてより完壁な治療を行つて始めて許容されるもので,手術に限るならばちようど外科医の虫垂炎に相当する性格を有している。現在の泌尿器科学において,手術治療法が不可欠である風潮の中では大学も第一線診療病院も統計的には尿管切石術の頻度は常に高い。われわれは教育機関であり,かつ卒後研修機関として泌尿器科専門医の養成も行わねばならない宿命を有し,基礎研修目標の一つに尿管切石術が独立して遂行できるようになることを挙げている。この手術は専門家として細心の注意を払つて行うものであるから,その資質の判断には至適と考えている。
 尿管の外科的解剖学上の分類は種々細かい区分も考えられるが,今回は腸骨血管との交叉部によつて上・下に分ける大まかな方法をとつた。上部尿管は腎盂尿管移行部に始まり,骨盤上縁部を経て少し骨盤腔内を下行して腸骨血管と交叉する部分までで,下部尿管はこの血管を越えて内腸骨動脈に近接して骨盤側壁を走り,漸次中央に寄りながら膀胱後下壁に近づいてこれを貫通して開口するまでを指す。外科的に尿管に到達する経路を考えると,上部尿管は前方のみならず側方,後方からも可能でもあるが,下部尿管には側方や後方からは不可能で,前方(もしくは下方)から到達できるのが特徴となる。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1332

印刷版ISSN:0385-2393

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