文献詳細
シンポジウム
脊髄損傷における尿失禁対策
著者: 緒方二郎1 高松恒夫2 近藤厚生3 工藤惇三4 平賀聖悟5 石堂哲郎6
所属機関: 1大分医科大学泌尿器科学教室 2北海道大学医学部泌尿器科学教室 3名古屋大学医学部泌尿器科学教室 4熊本労災病院泌尿器科 5埼玉医科大学泌尿器科学教室 6神奈川県総合リハビリテーションセンター泌尿器科
ページ範囲:P.739 - P.753
文献概要
脊髄損傷を含めた神経因性膀胱患者は尿失禁を伴う頻度が高く,とくに残尿を少なくするために尿道外括約筋切開術などの泌尿器科的処置を受けた患者では,その率はさらに高くなる。これまでの泌尿器科医は上部尿路の保全を考慮するあまり,尿失禁に対しては等閑してきたきらいがある。しかし,患者にとつては排尿困難よりむしろ尿失禁の方がはるかに苦痛で,"たれ流し"になるくらいなら死を選ぶと訴える患者も少なからずいることも事実である。尿失禁に対してなんらかの対策を講ずることは泌尿器科医の義務である。
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