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文献詳細

雑誌文献

臨床泌尿器科36巻9号

1982年09月発行

手術手技

追加発言・2

著者: 豊田泰1

所属機関: 1東京都立広尾病院泌尿器科

ページ範囲:P.824 - P.826

文献概要

 尿管を皮膚に移植する方式の欠点は,開口部に狭窄を生ずることである。これは尿管剥離の仕方,腹壁の孔のあけ方,皮膚との吻合形式,術後の注意,細菌感染などに関係するが,吻合形式のちがいを除けば有吉論文に詳述されているとおりなのでここでは触れない。吻合形式は手術成績にかなり影響するので従来いろいろな方法が考案されてきた。一括すると第1図のようになる。Shafikによると,もつとも成績の悪いのは〔Ⅰ〕の尿管末部を体壁外にさらした方法である。尿管に壊死をおこしあるいは外壁に肉芽を形成して瘢痕狭窄を生ずる。〔Ⅱ〕は固定優先に考えたものであるが同様の欠点がある。〔Ⅲ〕の直接吻合法は前者よりよいが,管口が狭く固定が不安定で,離間しやすく,多少でも離間すると肉芽形成,瘢痕萎縮の傾向がある。そこで開口部を広くしようと試みたのが,尿管に割を加える(5),あるいはその部に楔状の皮膚を入れる(6),両側の尿管端を吻合する(7),などの術式である。このような方法は尿管が細いときに必要で,そして尿管が細いと操作がやりにくく固定も確実性を欠くというジレンマがある。〔Ⅵ〕の皮膚によるnipple形成は開口部周辺の皮膚の不平をきたすので不利である。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1332

印刷版ISSN:0385-2393

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