文献詳細
講座
文献概要
はじめに
睾丸腫瘍の組織分類は,現在ではWHOの国際分類1)が本邦でも主流を占めつつあると思われる。その詳細については昨年の本誌綜説「睾丸腫瘍の組織分類」2)で述べたので省略するが,組織発生が分類の基本となつている。腫瘍の本態を知る上で,発生母組織との形態的類似性を探ることが大切なことはいうまでもないが,この点で超微形態的に腫瘍細胞を検討することが有力な手がかりを与える。更に忘れてならないもう一つの電顕的検索の持つ利点は,腫瘍の形態学的診断に寄与することができることである。未熟低分化腫瘍では上皮性あるいは間葉系かを区別することすら困難な場合,微細構造から腫瘍の特徴をつかみ,診断を確立することも可能である。
ここでは,睾丸およびその付属器に発生する代表的ないくつかの腫瘍について図説すると共に,上記2つの大きな利点について付記することにする。
睾丸腫瘍の組織分類は,現在ではWHOの国際分類1)が本邦でも主流を占めつつあると思われる。その詳細については昨年の本誌綜説「睾丸腫瘍の組織分類」2)で述べたので省略するが,組織発生が分類の基本となつている。腫瘍の本態を知る上で,発生母組織との形態的類似性を探ることが大切なことはいうまでもないが,この点で超微形態的に腫瘍細胞を検討することが有力な手がかりを与える。更に忘れてならないもう一つの電顕的検索の持つ利点は,腫瘍の形態学的診断に寄与することができることである。未熟低分化腫瘍では上皮性あるいは間葉系かを区別することすら困難な場合,微細構造から腫瘍の特徴をつかみ,診断を確立することも可能である。
ここでは,睾丸およびその付属器に発生する代表的ないくつかの腫瘍について図説すると共に,上記2つの大きな利点について付記することにする。
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