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文献詳細

雑誌文献

臨床泌尿器科36巻9号

1982年09月発行

講座

泌尿器科系疾患の微細構造の見方(9)—睾丸腫瘍

著者: 藍沢茂雄1 鈴木正章1 井村有希1

所属機関: 1東京慈恵会医科大学病理学教室

ページ範囲:P.829 - P.836

文献概要

はじめに
 睾丸腫瘍の組織分類は,現在ではWHOの国際分類1)が本邦でも主流を占めつつあると思われる。その詳細については昨年の本誌綜説「睾丸腫瘍の組織分類」2)で述べたので省略するが,組織発生が分類の基本となつている。腫瘍の本態を知る上で,発生母組織との形態的類似性を探ることが大切なことはいうまでもないが,この点で超微形態的に腫瘍細胞を検討することが有力な手がかりを与える。更に忘れてならないもう一つの電顕的検索の持つ利点は,腫瘍の形態学的診断に寄与することができることである。未熟低分化腫瘍では上皮性あるいは間葉系かを区別することすら困難な場合,微細構造から腫瘍の特徴をつかみ,診断を確立することも可能である。
 ここでは,睾丸およびその付属器に発生する代表的ないくつかの腫瘍について図説すると共に,上記2つの大きな利点について付記することにする。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1332

印刷版ISSN:0385-2393

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