文献詳細
綜説
文献概要
I.生体リズムとは
生物系の機構の特徴はその機能の外部環境からの独立性にある。そして,機能の独立性を維持するため,内部環境をほぼ一定にする機構,すなわち,ホメオスターシス機構を備えている。しかし,個々の臓器あるいは細胞の機能は常に一定ではない。多くは一定の周期を持つて律動的変化を示しており,これらのリズムが統合されて全体としてのホメオスターシス機構が成立している。たとえば細胞外液量や細胞外液浸透圧はほぼ一定に保たれており,ホメオスターシスの実例としてよく挙げられる。しかし,それらを一定にする機構の一部をなしている心機能については心臓は1分間約60のサイクル(約1秒周期)で収縮弛緩をしており,腎機能にもほぼ24時間を周期とするリズムが認められる。生体リズムはホメオスターシス機構に附随した現象であり,生物現象の基本的特徴である。
ところで,生体を取り巻く環境もまた,地球の自転および公転,月の回転などにより律動的変化を繰り返している。昼夜のリズム,潮の干満のリズム,1年を周期とする季節のリズムなどである。生体はこれらのリズムに適応して生命を維持している。このため,外部環境のリズムに合せて生体機能が律動的に変化する。
生物系の機構の特徴はその機能の外部環境からの独立性にある。そして,機能の独立性を維持するため,内部環境をほぼ一定にする機構,すなわち,ホメオスターシス機構を備えている。しかし,個々の臓器あるいは細胞の機能は常に一定ではない。多くは一定の周期を持つて律動的変化を示しており,これらのリズムが統合されて全体としてのホメオスターシス機構が成立している。たとえば細胞外液量や細胞外液浸透圧はほぼ一定に保たれており,ホメオスターシスの実例としてよく挙げられる。しかし,それらを一定にする機構の一部をなしている心機能については心臓は1分間約60のサイクル(約1秒周期)で収縮弛緩をしており,腎機能にもほぼ24時間を周期とするリズムが認められる。生体リズムはホメオスターシス機構に附随した現象であり,生物現象の基本的特徴である。
ところで,生体を取り巻く環境もまた,地球の自転および公転,月の回転などにより律動的変化を繰り返している。昼夜のリズム,潮の干満のリズム,1年を周期とする季節のリズムなどである。生体はこれらのリズムに適応して生命を維持している。このため,外部環境のリズムに合せて生体機能が律動的に変化する。
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