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文献詳細

雑誌文献

臨床泌尿器科37巻10号

1983年10月発行

綜説

アンドロロジーの問題点

著者: 大島博幸1

所属機関: 1横浜市立大学医学部泌尿器科学教室

ページ範囲:P.863 - P.870

文献概要

 アンドロロジー(andrology)とは比較的新しい言葉で,WebsterのThird New InternationalDictionaryを探しても記載されていない。いうまでもなく,andro-はmanないしmaleの意味であり,-logyはdoctrine,theory,scienceを意味する。したがつて,直訳すれば男性学ないし雄性学という意味であり,臨床面は婦人科学gyneco-logyに相対する内容をもつものであるといえる。実際ヨーロッパではアンドロロジーは後者の意味で使われており,臨床医学的色彩が強い。しかし,日本ならびに米国では雄性の生殖生理に関する学際的な生命科学の一分野であると認識されており,アンドロロジー領域の研究に携わつている研究者は医学関係のみならず,薬学,農学,理学の多領域にわたつている。その内容は日本アンドロロジー学会の設立趣意書にも述べられているごとく,雄性生殖に重点をおく生殖生理科学であり,それに関連する基礎科学として生理化学,生物学,形態学などを広く包含し,臨床医学としての泌尿器科,産婦人科あるいは畜産学などの応用科学への貢献を期するとともに,これらの応用科学から基礎科学への知識の移入も計り,雄性生殖の解明と実際面への応用を期するものである。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1332

印刷版ISSN:0385-2393

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