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原著
誘発筋電図法による球海綿体反射の臨床的研究—対照群および脊髄損傷患者について
著者: 安藤正夫1 武田裕寿1 水尾敏之2 牛山武久3
所属機関: 1東京労災病院泌尿器科 2東京医科歯科大学医学部泌尿器科学教室 3国立身体障害者リハビリテーションセンター泌尿器科
ページ範囲:P.899 - P.904
文献購入ページに移動球海綿体反射bulbocavernosus reflex (以下BCRと略)は,陰茎亀頭部(女性では陰核亀頭部)を圧迫すると球海綿体筋または坐骨海綿体筋が収縮する反射である1)。この変法として,陰茎亀頭部を圧迫し肛門括約筋の収縮の有無を肛門に挿入した示指にて検査する方法が,仙髄反射弓の一検査法として臨床的によく行われている。同様の反射は尿道・膀胱粘膜への直接刺激,あるいは膀胱内に留置されたバルーンカテーテルを引つ張ることによつても起こることが知られている1,2)。
われわれは,1982年3月よりDISA 14 A 11・14 G 11型EMG systemを用いて,誘発筋電図法による球海綿体反射(以下,誘発BCRと略)を検討している。今回,脊髄損傷患者について冷水テスト,膀胱内圧測定,尿道内圧測定などの成績と対比して検討したところ,誘発BCRは仙髄反射弓に関する客観的な検査法であり,神経因性膀胱に対する有力な補助診断法となり得ることを確認したので報告する。
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