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文献詳細

雑誌文献

臨床泌尿器科37巻11号

1983年11月発行

原著

尿路結石の化学的溶解療法

著者: 鈴木良二1 牧昭夫1 堀剛治郎1

所属機関: 1水戸赤十字病院泌尿器科

ページ範囲:P.987 - P.991

文献概要

緒言
 尿路結石の治療は今日に至るも手術療法が中心である。しかし,本症の再発率は高く,また術後の残石,単腎者の腎結石,全身状態不良者の結石など手術療法にも限界があり,手術によらない治療法の確立が望まれる。この点で,結石の溶解療法にも一つの期待がかけられるのであるが,本治療法も未だ完全に確立された方法がある訳ではなく,広く一般に普及されるに至つていない。その理由の一つは,結石溶解に使用されるEDTAには強い粘膜刺激作用があり,特にこれが膀胱内に流入すると耐えがたいほど強い膀胱刺激症状を惹起せしめるからである。われわれはこの点に考察を加え,EDTAで腎盂灌流を行う際,同時に塩化カルシウム添加生食水(以下塩カルと略す)で膀胱内をも灌流したところ,膀胱刺激症状を著減せしめることに成功した。そこで,今回自験例38例について,膀胱刺激症状に対する塩カルの効果を中心に治療成績,合併症などをまとめたので報告する。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1332

印刷版ISSN:0385-2393

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