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文献詳細

雑誌文献

臨床泌尿器科37巻11号

1983年11月発行

小さな工夫

間歇自己導尿のための女子用金属カテーテルの工夫

著者: 高木隆治1 佐藤昭太郎1

所属機関: 1新潟大学医学部泌尿器科学教室

ページ範囲:P.1027 - P.1027

文献概要

 間歇自己導尿法は神経因性膀胱に伴う排尿障害に対する処置として重要な手段になつている。特に女子の尿失禁の対策として大きな適応があると思われる。しかし,これまでは非無菌的でよいという点が強調されすぎたきらいがあつた。一生涯この処置を必要とする可能性を考えるとき,簡便さを保ちつつ,清潔に施行されるにこしたことはない。この観点より,種々のカテーテルが考案されてきた。女子用金属カテーテルに関しては,本邦では岩坪ら1)がSIC式カテーテルを開発しているが,われわれは図に示すような自己導尿用の女子用金属カテーテルを試作してみた。これは,Bruijnenら2)のカテーテルを更に改良したものである。このカテーテルは,オールステンレン製,全長15.5cm,外径Fr.14で,先端近くに2個の側孔があいており,また先端より7.5cmの位置に直径4cmのストッパー兼鏡がついており,これが尿道口を確認することにも利用される。近位端をやや太くし,症例によつてはラテックス製カテーテルと接続できる。また把持の一部に穴があいており,鎖をつけて,トイレなどのハンガーにかけることもできる。オールステンレス製であるため,煮沸可能である点と,片手で操作できるので,慣れればほぼ無菌的操作が可能になる。ただ尿道あるいは膀胱の損傷には十分気をつける必要がある。その意味からは対麻痺の女子で,病気に対する理解があり,また尿道口を確認しやすい患者が主に選択される。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1332

印刷版ISSN:0385-2393

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