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原著
12年間の逆流防止式尿管膀胱新吻合術とその成績
著者: 坂下茂夫1 石井大二1 南谷正水1 山田智二1 丸彰夫1 小柳知彦1 辻一郎1
所属機関: 1北海道大学医学部泌尿器科学教室
ページ範囲:P.1089 - P.1092
文献購入ページに移動逆流防止式尿管膀胱新吻合術は,膀胱尿管逆流の治療としてばかりでなく,多くは先天的な原因による膀胱尿管移行部の諸疾患に広く行われている。その手術成績も,高度の拡張を伴わない膀胱尿管逆流に対するものでは95%前後に良好な結果が得られている。 しかし,拡張尿管を伴う諸疾患に対する本手術では,技術的な困難に加えて尿管機能や腎形成異常などの上部尿路に問題のある例もあり,手術適応の決定,手術手技の改良を含めて今後さらに検討すべき課題があると思う。
ここでは,過去12年間の北大病院泌尿器科における172例274尿管に対して行われた逆流防止式尿管膀胱新吻合術の経験をまとめた。そして,われわれのたどつてきた本手術の適応,手術手技に関する変遷を述べるとともに,現在のわれわれの考え方についても述べる。
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