臨床泌尿器科37巻12号

1983年12月発行

小さな工夫

経皮的腎瘻造設におけるsingle puncture technique

著者： 桑原正明¹ 折笠精一¹

所属機関： ¹東北大学医学部泌尿器科学教室

ページ範囲：P.1121 - P.1121

文献概要

　最近，超音波診断装置の進歩によつて拡張していない腎盂腎杯でも正確に穿刺できるようになってきた。この際，ただちにガイドワイヤーが挿入できるベニューラ針で穿刺することも可能であるが，まず22〜23Gの穿刺針を使用し，造影剤を注入して目的とする腎盂腎杯を造影した後，レントゲン透視と超音波を併用して新たにベニューラ針で穿刺する方が安全である（double punctureteehnique^1））。しかし，ベニューラ針で必ずしも容易に目的部位を穿刺できるとは限らないことから，腎損傷を最小限にするためにはdouble puncture techniqueよりも1回穿刺操作の方が望ましい。この目的のために市販の穿刺針およびベニューラ針を改良してsingle punc-ture setを考案した。このsetは第1図に示すように1，2より成る穿刺針（A針，23G×250mm）と3，4より成るベニューラ針（B針，外管16G×140mm）の組み合せである。