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文献詳細

雑誌文献

臨床泌尿器科37巻2号

1983年02月発行

症例

精巣上体管類似の管構造を示した腎形成異常(renal dysplasia)の1例

著者: 森山信男1 平野美和1 多胡紀一郎1 東海林文夫1 河村毅1 横山正夫1

所属機関: 1東京大学医学部附属病院分院泌尿器科

ページ範囲:P.151 - P.154

文献概要

緒言
 腎形成異常(renal dysplasia)は尿管芽(ureteralbud)と造後腎組織(metanephric blastema)の分化,発育の障害に帰因すると考えられる腎実質の先天性発生異常である1)。本症は病理組織学的概念であり,primitive ducts2)(原始集合管:高村1))の存在が診断の決め手となる。primitive ductsは通常,厚い間葉性組織により取り囲まれた一層または多層の未分化な立方ないし円柱上皮よりなる管構造をとり,時に精巣上体管類似の微絨毛をもつ円柱上皮からなる管構造を示すとされているが3,4),実例の報告は極めて少ない5〜7)。今回われわれは膀胱尿管逆流を伴う形成不全腎において,精巣上体管類似のprimitive ductsからなる腎形成異常を見い出したのでその概要を報告する。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1332

印刷版ISSN:0385-2393

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