icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床泌尿器科37巻4号

1983年04月発行

文献概要

講座

術前検査の評価(4)—肝機能障害患者の手術適応と術前管理

著者: 小林迪夫1 若杉健三1

所属機関: 1大分医科大学第1外科学教室

ページ範囲:P.315 - P.319

文献購入ページに移動
はじめに
 手術侵襲ならびにその回復過程に影響を与える全身的要因のうち,肝障害の存在はもつとも重要な因子の一つであり,術前にその有無と重症度を正確に把握することは手術適応の決定に際して不可欠のものといえる。
 しかしながら,肝臓の機能は非常に複雑で多岐にわたり,肝障害の種類も,肝炎,肝硬変,肝腫瘍,門脈圧亢進症,閉塞性黄疸などの疾患によつてそれぞれ特性があるし1),さらに手術侵襲が肝に与える影響も麻酔,術式,手術時間,出血量などにより大きく異なつてくるので術前に患者の肝障害の程度や予備力の限界を推定することは非常に難しいと言わざるを得ない。しかし,手術による肝障害の増悪により,術後創傷治癒の遷延,種種の合併症の併発,最悪の場合は肝不全に陥り,死の転帰をとることもあるので,術前,術後の管理に万全を期することはもちろん,術前に肝障害の程度をできるだけ正確に把握し,適切な手術適応を決定するように心がけねばならない。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1332

印刷版ISSN:0385-2393

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら