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文献詳細

雑誌文献

臨床泌尿器科37巻5号

1983年05月発行

文献概要

手術手技

追加発言 2

著者: 星野嘉伸1

所属機関: 1都立府中病院泌尿器科

ページ範囲:P.413 - P.414

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 腸管を利用した膀胱拡大術としては,回腸,回盲部,S状腸などを利用したものが行われているが,われわれのところでは結腸を利用した症例は少なく,主に回腸を利用した拡大術を行つているのでそれを中心にして述べたい。症例の臨床経過などについては既に報告してある1〜3)のでここでは詳細は省略する。膀胱拡大術に回腸を用いた場合と結腸を用いた場合とを比較してみると,腸管を空置する場合腸間膜の血管の分布の点で回腸の方が結腸よりも容易であり,空置後の腸管の端々吻合も回腸の場合は縫合不全や瘻孔を形成することはまず少なく,腸管の操作に不慣れな場合でも比較的安全に行うことができる。また尿管の一部を腸管で代用したい場合も回腸は腎盂から膀胱まで任意の長さに利用することができ,形成時にトリミングをすることも比較的自由にできる。腸管のどの部分を利用した拡大術も排尿時は腹圧または手圧によつて排尿するのであるから腸管壁の厚さはこのためには関係しないが,尿管を空置腸管に吻合しなおす必要のある場合,粘膜下トンネルを作成しようとするならば,壁の厚い結腸を用いざるを得ない。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1332

印刷版ISSN:0385-2393

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