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文献詳細

雑誌文献

臨床泌尿器科37巻5号

1983年05月発行

交見室

体外手術を行つた腎血管性高血圧について/膀胱瘻造設術による持続灌流式前立腺切除術について

著者: 山田龍作1 佐藤守男1 高田格郎2

所属機関: 1和歌山県立医大放射線科 2国療神奈川病院泌尿器科

ページ範囲:P.478 - P.478

文献概要

 体外手術を行つた腎血管性高血圧の1治験例(臨泌37巻2号,畑ら)を読んでの若干の感想を述べさせて頂きます。
 本例は右腎動脈本幹から3本に腎動脈枝が分枝し,中央の動脈に狭窄(狭窄の原因は,fibromuscular dy-splasia)があり,このため腎血管性高血圧が生じた例であります。畑先生らは,この狭窄病変のある腎動脈枝の支配領域である腎実質を部分切除し,腎動脈を内腸骨動脈と端々吻合(自家腎移植)され,術後高血圧の改善,治癒を見たと報告されております。お見事な手術をなされ,かつ患者の高血圧も改善し,喜ばしい事と存じます。さて,腎血管性高血圧に,Percutane-ous transluminal angioplasty (PTA)を手がけているわれわれから見ますと,まずPTAを最初にやるべきではなかつたかと考えます。その理由は3点あります。まずその1点は,PTA自体が患者に対する侵襲が従来の血管造影のそれと比べてほぼ同様で軽微であることです。外科的手術を行つても血圧正常化を見るものは38〜70%ということで,すべての例で治癒するわけではないのですから,まず侵襲の少ない治療法を第1選択とすべきです。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1332

印刷版ISSN:0385-2393

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