文献詳細
手術手技
文献概要
膀胱腟瘻は産科的手術や処置,子宮摘出術などの婦人科手術の合併症としておこるものが多いが,そのほか子宮癌の放射線療法の合併症として,外傷,および骨盤内悪性腫瘍の浸潤などによつておこる場合もある。しかし,膀胱腟瘻閉鎖術の適応となる症例は限られてくるために手術症例は比較的少ない。奈良県立医科大学泌尿器科学教室において,1963年1月より1982年12月までの20年間で婦人科学的泌尿器科疾患で入院治療した症例は136例で,膀胱腟瘻は30例であつたが,そのうち膀胱腟瘻閉鎖術の適応となつた症例は9例のみで,そのうち1例は12歳女児にみられた外傷による膀胱腟瘻であつた。そのほかの21例は膀胱腟瘻閉鎖術の適応でないもので回腸導管,尿管皮膚瘻術などの尿路変更術を施行した。
膀胱腟瘻閉鎖術の手術術式には,経腟的膀胱腟瘻閉鎖術,経膀胱的膀胱腟瘻閉鎖術あるいは閉鎖術に際して腟壁瘻孔閉鎖部と膀胱壁瘻孔閉鎖部の間に有茎腹膜弁や有茎大網弁を挿入する方法などがある1)。
膀胱腟瘻閉鎖術の手術術式には,経腟的膀胱腟瘻閉鎖術,経膀胱的膀胱腟瘻閉鎖術あるいは閉鎖術に際して腟壁瘻孔閉鎖部と膀胱壁瘻孔閉鎖部の間に有茎腹膜弁や有茎大網弁を挿入する方法などがある1)。
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