文献詳細
Urological Letter
文献概要
55歳の婦人が数週間前から起こつている右上腹部へ放散する右側腹部痛を訴えて来院した。理学的診察の結果では右肋骨脊椎角部に打診上軽い痛みを訴えた以外には異常は認められなかつた。一連の化学的検査も血液検査および尿検査でも正常か陰性であつた。静脈性尿路撮影で右腎盂に異常な腫瘤が発見されたが,これは腎盂周囲嚢腫だろうと考えた。これに関連して軽度の拡張腎杯水瘤も合併していた。超音波診断では内部からのエコーを思わせるような腎盂内腫瘤とわかつたので穿刺はしなかつた。CTスキャンではやはり腎盂内腫瘤と思われた。胸部のX線検査をしたが,見るべき病的所見はなかつた。手術をしてみると,下腎杯の入口に茎を持ち腎盂内に突出している2.5cm大の腫瘤があつた。この腫瘤を切除して病理に出したが,良性のものだという回答であつた。後の正式のスライド標本による検査結果は線維上皮ポリープであつた。
これは比較的稀な疾患であり,1979年までの過去10年間には僅かに2例の報告があつただけである。ところがRadiologyの1979年1月号にDr. BannerとDr. Pollackが12例を報告している。
これは比較的稀な疾患であり,1979年までの過去10年間には僅かに2例の報告があつただけである。ところがRadiologyの1979年1月号にDr. BannerとDr. Pollackが12例を報告している。
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